ペットがいる生活は、飼い主の人生を豊かにしてくれます。ちいさな子どもがいる家庭では情操教育として、あるいは疲れた大人たちの心の癒しとして、現代社会においてペットの担う役割は多種多様です。

しかしまた、毎年多くのペットが、飼い主の一方的な都合で殺処分となっていることも、私たちは忘れてはいけません。
ここではペットを飼う前に知っておかなければならないことについて、考えてみようと思います。

良いペットショップを見極めるチェックポイント

動物にとって理想的な環境とはなにか

欧米では日本のようなペットショップそのものが、法律で禁止されています。
そのことからもわかるように、小さなショーケースに閉じ込められた陳列方法というのは、動物にとって決して健康的なことではありません。

そんななかでも、ペットにとってより良い環境を整えているペットショップを見極めるには、それなりのポイントがあるのです。

健康状態を良好に保つための清潔さ

ペットの排泄物などがゲージのなかに放置されている状態が長いと、そのペットの健康を損なう恐れがあります。
特に生後間もないペットは頻繁に排泄をしますから、こまめに掃除をしてあげることが重要になります。

そういった管理が徹底されているペットショップでは、たとえ排泄をしたペットがいても、すぐに掃除されて清潔な状態が保たれているのです。

ゲージ以外の設備について

陳列ケースであるゲージは、ある意味もっとも顧客の注目が集まる場所です。そのため多くのペットショップでは、出来る限り見栄えが良くなるよう工夫を凝らしているものです。

逆にあまり顧客の目がいかない店内にも、確認すべきチェックポイントが存在しています。例えば狭いショーケースとは別に、ペットが自由に遊べるような大きめのスペースを確保しているお店もあります。

ストレスと運動不足を解消する意味と、ペット同士のコミュニケーションを図る目的で設置するわけですが、一定のスペースが必要となるため、利益最優先のペットショップでは設置できません。

店員の態度、店の姿勢はどうか

店員の接客態度はもちろんですが、直接顧客と関わることのない品出し業務など、ふとした店員の態度は店の姿勢を表しています。
また、お金さえ払えばどんな人間であろうとペットを購入できるという状況は、決して良いものではありません。

商売である以上強い態度には出られなくとも、購入時にその顧客の心構えや経済状態に言及し、少しでも良い環境でペットが生活していけるよう配慮しているようであれば、その店は良いペットショップということになるでしょう。

飼い主となる側の環境が整っているか

経済的な負担のこと

ペットを飼うということは、多くのコストがかかるということです。購入時に発生する費用はもちろんですが、エサ代やトイレ、ゲージなどの設備費、さらには予防接種やケガや病気に対する治療費と保険料など、飼っている期間はつねに何らかの形でお金がかかると考えるべきでしょう。

さらに見えにくい費用として、割高な家賃がかかる「動物OKの居住空間」や、旅行時のペットホテルから、普段なら自転車や徒歩で行けた場所が、自家用車などを使用する頻度が上がるなど、さまざまな形でお金が出ていきます。

詳しくはこちらの記事をどうぞ → 一人暮らしで飼いやすいペット5選

精神的な負担と心構えについて

例えば犬を飼う場合、散歩はほぼ必須条件です。しかし、雨の日も、体調がすぐれない日も、毎日同じ時間に散歩を要求されたなら、飼い主だってストレスがたまることでしょう。

しかし忘れてならないのは、多くのペットが自分勝手であるように見えて、実は飼い主の精神状態を強く意識しているという事実です。
飼い主が抱く嫌悪感は、多くのペットにとって不安と恐怖を助長するものなのです。

つまり飼い主が幸せでない限り、飼われているペットは決して幸福にはなれません。動物といっしょに生活することは、多くの癒しや喜び、充実感を与えてくれますが、同時にさまざまな負担と責任をもたらすものでもあるわけです。

飼い主にも「万が一」があるということを知る

さまざまな状況で、ペットが飼えなくなる人がいるのは事実です。そうしたケースでは、泣く泣くそのペットを手放さなければならなくなります。

信頼していた飼い主を別れること自体、そのペットにとっては悲劇以外のなにものでもないわけですが、その後、そのペットに突き付けられる現実は、たいていの場合「死」です。

一度ペットを飼ったなら、最後の日が来るまで決して無責任なことはしないと、多くの人は考えています。しかし大怪我や生活環境が一変するような出来事が、本人にはどうすることも出来ない状況で生じることはあるのです。

最後の最後は自分に代わってめんどうをみてくれる人を見つけておくことも、本来必要なことなのでしょう。